2020年11月30日
学科トピックス

サトヤマアートサンポ 2020

今年も和光大学芸術学科学生による「サトヤマアートサンポ」を開催いたします。
サトヤマは、2015年から5年間、川崎市麻生区黒川地域や岡上地区で開催してきたアートプロジェクトです。
 
今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、例年とは異なり和光大学構内に展示をし、一般公開はせずに動画配信という形での発表となります。
サブタイトルは「Life with COVID-19」。
新しい年を迎えて間もなく講義の多くがリモートとなったり、学内での制作に制限がかかるなど、学生たちにとっても大変な年となりました。
 
昨今の大変な状況のなかでも制作や発表に取り組む学生たちの姿を感じとっていただければ幸いです。
 
 
今日は朝から、サトヤマ出品作品の撮影でした。
カメラマンは卒業生の斎藤英理さんです。
 
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「サトヤマアートサンポ 2020 Life with COVID-19」
開催期間:2020年11月下旬
会場:和光大学キャンパス内
*一般公開はしておりません
*当面の間、学外者の方の構内への立ち入りは禁止させていただいております
展覧会の様子は動画配信いたします。配信次第、改めてご案内いたします。
 
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1. 超獣人物戯画着彩硝子
下山美羽、林利緒奈 Miu SHIMOYAMA, Riona HAYASHI
インスタレーション、ミクストメディア
2020
 
絵画でありデザインでもある。和であり洋である。そんなひとつの枠に囚われない作品に仕上げました。時間や見る角度によって顔を変える太陽光とともに、白い空間に浮かびあがる、鮮やかな色彩にも変化が訪れます。
 
 
 
 
 
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2. 失敗の架け橋
細沼凌史 Ryoji HOSONUMA
インスタレーション
2020
 
目先の成功ばかり夢見ていた気がする。新しいことも、今からやったってもう遅いからやる意味がないと、言い訳ばかりしている気がする。成功も実力も長い時間をかけてこそのはずなのに。まずは成功することよりも失敗する努力をしなくては、そう思った。
 
 
 
 
 
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3. サトヤマ・ザワザワ
畑中ゼミ(情報メディアデザイン) Hatanaka Seminar
アニメーション映像
2020
 
リモート授業や移動自粛により、以前の様に日常的に散歩できなくなった岡上の風景を思い出して描いた映像スケッチ。様々な生き物や植物に出会う散歩気分を味わい、少しでもホッコリして頂ければ幸いです。
 
 
 
 
 
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4. 繋がる空
上原安深、加藤美咲、熊倉大介、中田瑤子 Anmi UEHARA and Friends
インクジェットプリント
2020
 
私たち4人の見上げている空と鑑賞者が見ている空を重ねて見ることができる作品にした。違う場所にいても見上げたらそこには同じように空がある。コロナ禍で日々の閉塞感に苛まれても、空は以前と同じように動いている。ソーシャルディスタンスのために、大切な人と会えない時間が続いているからこそ、空を見上げる行為を通して以前と変わらずにいる人との繋がりを大切にしそれを感じて欲しい。
 
 
 
 
 
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5. 追想
大津慈音、小泉尚輝、澤田丞、山下若菜 Jion OTSU and Fellows
インスタレーション、単語
2020
 
コロナウイルスの影響から、外出自粛を迫られてしまい、誰もが予想できなかった日常になりました。現在でも、外出を恐れる人や気軽に買い物に行けない人もおり、特に学生はオンライン授業を原則とされ、外出をする機会が著しく減っていると聞きます。この作品は、こうした外出自粛を考え、コロナウイルスがなかった過去に戻り、靴を履いて制限もなく、何も気にせず外出をしていた時の思い出や、その時の感情、学んだことなどを振り返ってほしいという思いが根底にあります。
 
 
 
 
 
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6. Umbrella Room
門永亜美 Ami KADONAGA and Friend
ビニール傘、ビニールシート
2020
 
市販の色つきビニール傘にビニールシートを巻きつけて、下に空間をつくる。お客さんはその中に自由に出入りすることが可能だ。コロナが猛威を振るい、世の中は三密やソーシャルディスタンスに関して敏感になった。そして当たり前の日常が崩れ、容易に近づくことが出来ない辛さが生じたのだ。しかし、私は人との距離は思っているほどヒドいものではないと思う。それは、それぞれの命を守る努力であり、美しい取り組みではないだろうか。その美しさを具現化することで、少しでも多くの方々の辛さを解消したいと考えた。
 
 
 
 
 
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7. ぬけがら
大場あゆ Ayu OHBA and Friends
インスタレーション
2020
 
我々が当たり前としてきた日常は姿を消し、代わりに与えられた日常は不安で制限の厳しい生活であった。しかしながら、確実に先へと進むことができるのは、今、我々が生きているこの空間だけなのである。存在していたかもしれなかった「仮定」の空間と、先に進むことのできる「今」の空間をみつめ、この案外悪くないかもしれない日常と向き合うきっかけが生まれることを望む。
 
 
 
 
 
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8. 岡上桜
増田葵、上原安深、岡夢野、趙建豊 Aoi MASUDA and Friends
岡上跨線橋橋桁壁画
2020
 
鶴見川に架かる跨線橋の下は薄暗く、落書も多い場所でした。
町内会が川沿いの散歩道にベンチを設置しましたが、さらに橋脚に壁画を描いて落書きを防止し、憩いの場所にするために考えられたのが、この壁画です。岡上町内会から和光大学に依頼があり、結成された実施チームは芸術学科3年生4人。令和2年度川崎市麻生区町内会事業提案制度認可事業にも採択されました。
原画は7種類が考えられ、その中から町会長さんたちの協議によって決定したのがこの「桜」のプランです。春になると川沿いには桜が咲き乱れます。作品タイトルは地域の岡上小学校の児童たちに命名してもらいました。
作業中は、歩行者や地元の皆さんにも好評で、「完成を楽しみにしているよ」など、多く声をかけて頂きました。和光大学芸術学科は、アートを通じて地域と連携します。