2022年6月17日
学科トピックス

椛田ちひろ先生の作品が『凛として灯る』の装画に使われています

芸術学科 椛田ちひろ先生の作品が、『凛として灯る』(現代書館)の装画に使われています。
みなさま、是非お手に取ってご覧ください。

著 荒井裕樹著
発行 現代書館
※6月中旬発売予定

価格 1,800円(税別)
ISBN978-4-7684-3592-2

【概要】 ※現代書館 書籍紹介ページから引用
1974年4月20日、東京国立博物館で開催された「モナ・リザ展」一般公開初日。人類の至宝と称される絵画「モナ・リザ」(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)に、一人の女性が赤いスプレー塗料を噴射した。女性の名前は米津知子。当時25歳。「女性解放」を掲げたウーマン・リブの運動家だった。取り調べのために連行される警察車両の中で、彼女はクスクス笑いが込み上げていた。極度の緊張と、やっと落とし前をつけられたうれしさの中で。女として、障害者として、差別の被害と加害の狭間を彷徨いながら、その苦しみを「わたしごと」として生きるひとりの、輝きの足跡。

【現代書館 書籍紹介ページ】
 http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-3592-2.htm


自分に重なる部分もあり、一気に読みました。米津知子さんの半生には「苦しさ」や「怒り」と同時に、若い女性の輝く生命活動が感じられます。ひとりの女性・ひとりの活動家・ひとりの人間の生の苦しみと生の輝きの物語を、荒井裕樹さんの筆から受け取りました。和光大学の学生にも、ぜひ読んでほしいと思っています。

提供した作品は、ある遺跡にさまざまな角度から光をあて、その影を紙にペンで留めた作品です。影遊びにあるように、影は姿を変化させますが、歴史も時代によって様々な姿に変わります。そのようなものの見え方を主題にした作品です。『凛として灯る』の装丁になった影の痕跡も、暗闇で輝こうとする灯のようにも見え、自分自身を閉ざす貝殻のようにも見え、傷のようにも見えるというような、米津知子さんの半生を想起させる様々な姿に変化して届くと良いな、と期待しています。

(椛田ちひろ)