2022年4月29日
卒業生の活躍

4/29-5/30 前田梨那 個展

卒業生の前田梨那さんの個展が開催されています。
前田さんは在学中から精力的に作品を発表しており、写真の持つ本質を探究されています。ぜひご来場ください。

超不定期訪問/滞在制作project《Nami Itaに、いた?いる!》Vol.03
前田梨那『去来するイメージ / 往還する痕跡』

個人を生きようとも抗えない力、意志を吸い込んでしまう引力、人が生きていく事と、私とあなたが違うわけを探して制作しています(前田梨那)

オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ-Nami Ita』は、2022年の第二弾企画として、429日(金)~530日(月)のあいだ、『超不定期滞在制作projectNami Itaに、いた?いる!》Vol.03 前田梨那去来するイメージ/往還する痕跡』(企画:東間嶺)を実施します。

TOKYO FRONT LINE PHOTO AWARD 2021』グランプリ(大山光平賞)や2022年度ヤングポートフォリオ一次審査通過(4月時点)などで注目される若手作家である前田は、和光大学で写真を学んでいたときから「写真」という営みの本質を、(カメラによる)種々の撮影行為よりも、むしろ露光し、薬剤で「現像定着」するプロセス中の「ネガ」に見出し、型紙を使った長時間露光やケミグラム Chemigram(※)を取り入れた作品として発表してきました。
「私という存在は人間の、生命の大きな流れの中で一瞬で通りすぎる流れ星のようなもの。固有の体験を生きているというより、たくさんの人間が紡いできた生をなぞる演劇的な役割というか、その繰り返しの一部でしかない感覚がある」。

アルゼンチンのクエバ・デ・ラス・マノス(手の洞窟)に存在する有名な古代の手形(ネガ)壁画を参照しながらそう語る前田は、「ネガ」を単に光学のレベルではなく、自他の境界=輪郭として個を世界と分かつもの(前田の言葉では「役割のネガとしての身体」)、そしてある物体が確かに世界へ存在していた痕跡だと捉えます。極度に抽象化され、ディティールが排された前田の作品は一見「写真」から遠く、むしろ抽象性の高い絵画のようですが、光の反射を捕捉し、止める行為とは何か?を考えたとき、改めて「写真」の本質についてわたしたちは再考を迫られるのです。

本企画、『去来するイメージ/往還する痕跡』は、ナミイタ内外にこれまで断片的に発表されてきた上記作品群を新たな大作と共にインスタレーションとして再構成し、前田の創作にかかわる思考と今後の可能性を改めて提示する試みです。vol.01山本麻世『イエティのまつ毛』、vol.02藤巻瞬『不完全な修復』に続き、(それらの痕跡や気配も残存する)小屋と一体化し、変容した「写真」を御高覧頂ければと思います。
「科学で描く」を意味する、感光紙(印画紙など)に化学物質を塗ってイメージを作り出す現像技法。
(文責=代表:東間嶺)

会期:2022年4月29日(金)-5月30日(月)
時間:12:30-20:00
休場日:火・水・木
会場:オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ Nami Ita
〒195-0054
東京都町田市三輪町2036(アトリエ・トリゴヤ裏手)
小田急小田原線 鶴川駅 南口から徒歩16分
小田急小田原線 鶴川駅 駅前バス停3番乗り場より「奈良北団地」または「三菱ケミカル前」行き 「三輪入口」下車徒歩1分

https://www.facebook.com/events/1003977736892076/1003977743558742