12/6-12「現代美術の立体表現研究」授業展示会
「表面によって変わること」
現代美術の立体表現研究」授業展示会 担当:佐藤勲
この展覧会は、芸術学科の授業「現代美術の立体表現研究(担当教員 佐藤勲)」で制作された作品展です。シュールレアリズムやダダイズムのスイス人作家 メレット・オッペンハイム(Meret Oppenheim 1913-1985)の代表作『Object (1936)』を参考にしました。彼女は、無機質で硬質なカップ&ソーサーに有機的で柔らかいガゼルの毛皮を貼りつけただけで、触覚や生理的な感覚に反応するイメージ豊かな作品を作り上げました。
表面の状態を変化させることで、「その見かけや意味性がどれだけ変化し拡張するのか」という視覚表現の可能性を探るのが今回の課題です。中村哲也や名和晃平など、日本人作家にはこの表面意識の強い作家が多くいます。造形的な強い形態感だけでなく、数ミリの表面に本質を見たり、表面の見かけにとらわれ本質を見ないことに疑問を持ったりする態度です。両者は現代社会が孕(はら)む実態を欠いた「はりぼて」が持つ見かけの危うさに意識を向けます。
今回の課題では、カップ&ソーサーに選択した1種類の素材だけを貼りつけ、見かけや意味性が大きく変化した作品、客観的に視覚効果が発揮されていると思える作品を作るよう学生に促しました。素材を貼ることの作業性やクオリティーも大切ですが、本課題で最も重要なのは素材の選択です。素材が与える見え方や意味性が、カップ&ソーサーとどのように響き、または反発するのか見ていただきたいと思います。
表現学部芸術学科 佐藤勲
■会期:12月6日(火)~12日(月)10:00~18:00
土日休廊。最終日は13:00まで
■会場:和光大学内 G棟2階 ホワイトギャラリー
〒195-8585 東京都町田市金井町2160